委任状と翻訳と認証 ― 署名認証と宣誓認証 (II)

前回のブログエントリの案件は、マカオの弁護士がオーケーを出してくれて一件落着したのですが、私にはまだ少し解せない点がありました。この弁護士は、面倒なので妥協してくれただけではないのか、と。

公証人が作成してくれる認証には細かく分類すると、5種類があります!

  1. 面前認証 (目撃認証) ― 署名者本人が公証人の面前で文書に署名する場合。
  2. 面前自認 (自認認証) ― 署名者本人が公証人の面前で文書に署名したことを、自ら承認する場合。
  3. 代理自認 ― 代理人が公証人の面前で、署名者本人が文書の署名が本人のものである旨を陳述した場合。
  4. 謄本認証 ― 嘱託人の提出した文書の謄本が、その原本と対照し符合する場合。
  5. 宣誓認証 ― 当事者が公証人の面前で文書の記載が真実であることを宣誓の上、文書に署名するか、または署名を自認する場合。このケースでは同じ文書を2通作成するので、費用もその分高くなる。(当然のことながら、宣誓認証を代理人が行うことはできない。)

公証人が作成してくれた認証書類は「署名認証」(上のリストの1と3)でした。公証の文言は以下のようになっています。

日本語:
嘱託人 [xxx xxxx] は、本公証人の面前で別紙編綴の書面に署名した。

英語:
This is to certify that [abc xyz] has affixed her signature in my very presence to the attached document.

まさに、公証人が、本人が自分の目の前でこの書類にたしかに署名した、ということを証明しています。なので、多くの場合、これで十分で何も文句はありません。

ただ、件の弁護士がしきりに言っていたことは、自分が作ったひな形の通りに日本語を作れ、ということでした。当方が日本の標準様式に合わせるためにしたことは、冒頭と末尾の公証人が主語の文言を削除したことです。冒頭には、「公証人の面前に譲与人(依頼人の奥さん)が出頭し、”duly admitted, sworn and practicing in Japan”(自認し、宣誓し、署名した)」とあります。

また、「後文」の英文はこうなっていました:
“I, [xxxxxxxxx], Notary Public, CERTIFY, that …(中略)… who in my presence signed her name above and declared that she is fully aware of the contents of this power of attorney.”

とあり、「署名した本人がこの文書の内容を完全に認識していると宣言した」とあるのです。一方、先の公証の文言では、中身については何も言っていません。なので、やはり先方が求めていたのは、「宣誓認証」だったのは明白です。迂闊にもこのことにすぐに気が付きませんでした。

結果的にトラブルにはならず無事に済んだとは言え、今後は少しでも疑問があれば公証人にしっかり確認して適切な認証を受けられるようにしなければ、と肝に命じることになった、そんな案件でした。

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