- 2009-08-14 (金) 23:22
- 公文書の翻訳事例
2007年6月に、日本人の奥さんをもつイラン人の方から、カナダの永住ビザをとるために必要な書類の翻訳依頼を受けました。
建築大工の職業訓練学校の修了証と、その後、インターンシップのような形である会社のベテランの大工さんの下で研修をうけたことを証明する研修修了証の二点を翻訳しました。
これだけでいいのかな、と思っていたところ、案の定、それから2ヵ月ほどした8月のはじめにまた連絡があり、今度は婚姻届受理証明書と戸籍謄本を翻訳が欲しい、と依頼を受けました。このときは、公証人による翻訳証明も必要ということでしたので、これも代行取得しました。
これで片が付いたかな、と思っていたのですが、年が明けた正月明けにまた連絡が入りました。建築大工の技能検定の試験を受けて合格したので、この合格証書を提出しなければならないのだそうです。いやはや。これもちゃんと公的証明を付けてとのことで、翻訳料はともかく、公証費用は決して安くはないので、ちょっと気の毒になりましたが、仕方がありません。永住ビザの取得は、やっぱりそう簡単にはいかないのですね。
今度もこそ、もうないだろう、と思っていました、ほんとに。ところがまだあったのでした。その後わずか1週間くらいして、再び相談が持ち込まれました。職業訓練が終わった後、2つの小さな工務店に務めたそうなのですが、これを証明する書類を作ってカナダの役所に提出しなければならない、とのことでした。ところが、その2つの会社は在職証明書なんてないというんです、と相談されたのです。
私のところは単なる翻訳会社ですから、本来そんなことはやりません。しかしここは行きがかり上、引き受けざるを得ません。ネットで会社の在籍証明書のひな形を拾ってきて2通作成し、それを印刷して依頼者に郵送しました。それぞれの会社に必要な箇所を埋めてもらい、社判を押してもらうよう指示し、その書類が返送されてくる間に英語版を作成しておきました。日本語の書類が揃ったところで、再度公証人に翻訳公証を受けて、書類を完成させました。
依頼者のイラン人の方から電話をもらい、色々とありがとうございました、これでもうないと思います、と丁寧なお礼を言われました。依頼者の奥さんからも電話があって、後はビザが下りるのを待つばかりですと、ホッとした様子でした。
早1年半以上経過していたので、もうとっくにビザはおりて、カナダに移住してしまったかと思っていたのですが、実は8月14日の今日、この依頼者から「やっとビザが下りました。来年の3月、妻と子供とともにカナダに向かいます」と連絡が入ったのです。あれから今日までビザの審査に時間がかかったのか、とびっくりするとともに、ホントによかったなぁ、と安堵した次第。
彼が日本で学んだ大工職人としての技は、ひょっとしたら、カナダの大工さんの流儀と違うかもしれませんが、あの真面目で、粘り強く、そして律儀な性格できっとそれを克服し、活躍してくれることでしょう。
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