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公文書・技術文書・一般文書の翻訳に30年
「等価の翻訳」。多くの翻訳者から師と慕われる技術翻訳業界の草分けである故水上龍郎先生の言葉です。原語としての意味や価値をそのままに自然な訳文で置き換える。そのような翻訳のことです。 製品に付属する説明書などはもちろん正確であることが第一です。しかし、それに加えて対象読者が読んでピンとくる文章を作るのが翻訳者の使命と言えます。そのような翻訳を体現することの困難さは、翻訳を長年経験すればするほど身に染みてきます。 翻訳者に常に研鑚が求められる所以です。
私が翻訳業界に入ってしばらくして、当時コンピュータ業界の巨人として君臨していた IBM のメインフレームコンピュータの膨大なマニュアルの翻訳をやらせてもらえるようになりました。まだパソコンで日本語入力ができなかった頃で(!)、IBM 独特の 600 字詰め原稿用紙に指にペンだこができるほど翻訳を書きまくったものでした。
翻訳者と言ってもメインフレームのことなどよく分からないだろう、ということで、しばらくの間、請け負った翻訳がある程度進むと千鳥町オフィスまで出向き、1時間〜2時間程、担当者からまさに個人教授といった趣の講習を受けました。これは翻訳者にとってはまことに有難く、貴重な時間でありました。後にも先にもそんなことをしてくれたクライアントは IBM だけです。
そんな時代が遠く過ぎ去り、今や当時のメインフレームが目の前の小さなパソコンに姿を変え―そして、その後ろ側にはクラウドと呼ばれる広大なストレージやデータベースが存在し―私たちの仕事を大いに助けてくれます。ウェブブラウザを使って「ググれ」ば、たいていのことは調べがつくし、仕事を効率化してくれる翻訳支援ツールも存在する。まさに隔世の感があります。
しかし、いくら便利になったとは言え、翻訳はもの作りの職人技にも似て、年月をかけ失敗を重ねながら学び取り、熟練していく類の仕事です。しかも、常に新しい知識を吸収してゆく姿勢が求められます。私どもソーホーズは、そうした職人技と知識欲を併せ持つ翻訳者のネットワークに支えられ、日々お客さまのご要望にお応えしています。 ◆